金継ぎした食器を安全に楽しむために|食品衛生法に適合しているかチェック!

公開日:2026/08/15
金継ぎした食器を安全に楽しむために|食品衛生法に適合しているかチェック!

金継ぎに興味がある方のなかには、修復した器の安全性が気になる方も多いでしょう。金継ぎは本漆やエポキシ樹脂を用いるものまでさまざまな方法があるため、使用する材料によって安全性が大きく異なります。本記事では、金継ぎの安全性や材料ごとの違い、安全な材料を選ぶポイントについて解説します。

金継ぎの食品安全性は使用する材料によって異なる

金継ぎで修復した器が安全に使えるかどうかは、どのような材料を使用したかによって決まります。一般的に、天然の本漆と金粉・銀粉を用いた伝統的な金継ぎは、食器としての使用実績が長く、食品と接触する用途にも適しています。

一方で、近年普及している簡易金継ぎでは、エポキシ接着剤や合成樹脂、真鍮粉などが使われることがあります。これらは短期間で仕上げられる、扱いやすいといったメリットがありますが、食器への使用を前提としていない材料も含まれています。しかしこれらは、本漆だから安全、簡易金継ぎだから危険という単純な話ではありません。

金継ぎを行うときは、金継ぎした作品をどのような用途で使うのかを考えることが重要です。たとえば、毎日使う茶碗やマグカップであれば食品との接触を考慮した材料が望ましい一方、花瓶やオブジェなどであれば簡易金継ぎの手軽さが大きな魅力になります。

また、金色の仕上げに使用する粉末にも違いがあります。純金粉や純銀粉は化学的に安定していますが、真鍮粉や銅粉は酸性の食品と反応する恐れがあるため、用途に応じて選ぶことが大切です。

本漆金継ぎと簡易金継ぎの特徴と使い分け

本漆金継ぎと簡易金継ぎは、それぞれメリット・デメリットがあります。これから金継ぎをしたいものの用途にあわせて、使用する素材を選びましょう。

本漆金継ぎの特徴

本漆金継ぎは、天然漆を用いて割れや欠けを修復する日本の伝統技法です。漆は硬化すると強固な塗膜を形成し、古くから漆器の仕上げ材として利用されてきました。日本各地の漆器文化が長年受け継がれてきたことからも、食器との相性のよさがうかがえます。

ただし、漆は塗ってすぐに使えるわけではありません。硬化には湿度と時間が必要で、金継ぎの工程全体では数週間から数か月かかることもあります。しかしその分、独特の深みや風合いが生まれ、長く愛用できる仕上がりになります。

簡易金継ぎ

簡易金継ぎはエポキシ接着剤や合成樹脂を使用するため、数時間〜1日程度で完成するのが特徴です。初心者でも挑戦しやすく、体験教室やワークショップでも広く採用されています。毎日使う食器であれば本漆を使用した金継ぎが安心ですが、花瓶や飾り皿などであれば簡易金継ぎでもじゅうぶんでしょう。

適切な材料を見極めよう

近年の食品衛生法改正により、食器の食品接触面に使用できる材料についての基準が整備されました。しかし、食品衛生法への適合・非適合だけで、よい・悪いを判断するものではありません。法律上の基準は食品との接触を前提とした安全性評価の有無を示すものであり、用途によって適切な材料は異なります。

たとえば、花瓶やインテリア小物の修復であれば、簡易金継ぎは充分に実用的です。また、短期間で修理したい場合やまず金継ぎを体験してみたい方にも向いています。反対に、食器として長期間使用したい場合や伝統的な技法を学びたい場合には本漆金継ぎが最適です。

大切なのは、それぞれの特徴を理解したうえで目的に合った方法を選ぶことです。用途に合った材料を選ぶことで、金継ぎの魅力をより安全かつ長く楽しめるでしょう。

金継ぎに使う材料の安全性はどこで確認すべきか

食品安全を重視して金継ぎキットや道具を選ぶときは、価格や手軽さだけではなく、使用されている材料を確認することが重要です。ここでは金継ぎの材料を選ぶ際にチェックしておくべきポイントを解説します。

漆の種類

まず確認したいのが漆の種類です。商品説明に本漆・天然漆など明記されているかをチェックしましょう。新うるし・合成うるし・カシュー漆などは本漆とは異なる素材であり、用途も異なります。名称が似ていても成分は大きく違うため、表示内容をよく確認することが大切です。

仕上げ材

金継ぎの美しい金色は、純金粉だけではなく真鍮粉やマイカ顔料などによって表現されることもあります。見た目だけでは区別しにくいため、商品説明に金粉・銀粉・プラチナ粉などの記載があるか確認しましょう。

商品説明をよく確認する

信頼できる商品は成分や使用材料を具体的に公開しています。伝統的な材料を使用といった曖昧な説明だけでは判断が難しいため、漆や金属粉の種類まで明示されている製品を選ぶのがおすすめです。

まとめ

金継ぎした食器の安全性は、使用する材料によって大きく変わります。食器として長く使いたい場合は、本漆と金粉・銀粉を使用した伝統的な金継ぎが適しています。一方で、簡易金継ぎにも短時間で修復できる、初心者でも扱いやすいといったメリットがあります。食品衛生法への適合状況だけで優劣を判断するのではなく、食器として使うのか、装飾品として楽しむのかといった用途に応じて選ぶことが大切です。金継ぎを行う際は、漆の種類や仕上げ材、成分表示の透明性を確認し、自分の目的に合った材料を選びましょう。

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金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。

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