割れた陶器を自分で修理・修復する方法を紹介!

公開日:2024/03/22
割れた陶器を自分で修理・修復する方法を紹介!

「大切な陶器を割ってしまった…」そんな経験をしたことはありませんか?

陶器を割ってしまうと、真っ先に浮かぶのが「処分」です。しかし、大切な陶器を簡単に捨てるのは躊躇ってしまうでしょう。

そこで今回は、自分で修理・修復する方法を紹介します。割れた状態にもよりますが、軽度であれば自分で直せますので、諦めずにぜひチャレンジしてみてください。

まずは必要なものを準備しよう

陶器を自分で修理・修復するには、必要なものを準備しなければいけません。一般的に市販の接着剤を使用しますが、足りない破片は粘土で固定することもできます。

まずは、必要なものと修理・修復の前にやっておきたいことを紹介します。

必要なアイテム

割れた陶器をくっつけるための接着剤が必要です。接着剤にもいろんな種類がありますが、できれば瞬間接着剤のように強力なものがおすすめです。ホームセンターで手軽に入手できますが、最近では100均でも購入できます。

そのほか、はみ出した接着剤を取り除くためのヘラや割り箸、ほこりを拭くなども準備しておきましょう。作業中、陶器が動かないように固定するものも必要です。手をケガや汚れから守るために、手袋やピンセットもあると便利でしょう。

割れた破片を集める

必要なアイテムを準備できたら、割れた破片を集めます。これをしないことには、スムーズに接着剤をつけることができません。一つひとつていねいにかき集め、すぐに組み立てられる状態にしておきましょう。

破片を集めるときの注意点は、ケガをしないことです。かならず厚めの手袋で手を保護してから行ってください。また粉々になってしまった陶器は残念ながら修復できないため、新聞に包んで処分しましょう。

換気をする

作業場所の換気も欠かせません。接着剤のなかにはニオイが強いものもあり、吸い込むと体調に影響する場合があります。かならず窓を開け、換気扇をまわしながら作業を行いましょう。もちろん、火の近くで行うのもNGです。

ポイントは十分乾燥させること

陶器の修理・修復は、どんなに小さなものでも作業に時間がかかります。雑に扱うとすぐに壊れてしまうので、一つひとつていねいにくっつけていきましょう。

ポイントは、十分に乾燥させることです。一片を接着するたびしっかり乾かす必要があるため、箱やタオルなどを使って固定させてください。可能であれば、砂に陶器をさして作業するのもおすすめです。

これらを踏まえたうえで、作業を行いましょう。

水分をふき取り破片を組み立てる

陶器に水分やほこりがついていると、しっかりくっついてくれません。一旦きれいにしてから接着する場合、かならずタオルで水や汚れをふき取ってから作業を行ってください。

十分に乾燥させたら、集めた破片をていねいに固定していきます。一片を接着したら乾燥するをくり返しながら、次の工程に進みましょう。

接着剤をつける

接着剤は、少量ずつつけるのがポイントです。大量につけてもはみ出てしまうのと、乾燥に時間がかかるのでおすすめしません。

また万が一はみ出てしまった場合、半乾きの状態ならヘラや割り箸などで取り除くことができます。ある程度乾いているのであれば、除光液をしみ込ませた綿棒でサッとふき取るのでもOKです。

足りない破片は粘土で補修

破片が足りない場合は、粘土で修復することも可能です。粘土は、接着剤を乾かしたあとに貼りつけていきます。少々コツがいりますが、慣れてしまえば簡単です。

粘土は、ひび割れの修復にも効果があります。補修用のものを使用し、水で溶いて破片が足りない部分に少しずつ乗せていきます。擦り込むというよりも、陶器に吸い込ませるイメージで補修していきます。数回くり返すと、どんどんひび割れが目立たなくなります。

なかには、粘土で破片をくっつけていく方法もあります。いわゆる接着剤代わりになる粘土のことで、大きく欠損した部分にも使用できます。

そのまま1~2日放置する

破片をすべて修理・修復したら、そのままの状態で1~2日放置します。瞬間接着剤でも、十分に乾燥させてから使用するのがおすすめです。

また、接着剤を使用した陶器は、洗ったり加熱したりができません。火の近くに置いているだけでも火事の原因になるため、かならず安全な場所に保管しましょう。もし食器やコップなどが割れてしまった場合は、修理・修復はせず処分することをおすすめします。

陶器向けの接着剤

ひと口に接着剤といっても種類はさまざまです。今回は陶器の修理・修復ということで、陶器に使用できる接着剤を選ぶ必要があります。

間違っても、木工用ボンドは使用しないでください。

接着剤の種類

一番よいのは、陶器用の接着剤です。陶器にあった成分が配合されているので、しっかりくっついてくれるだけでなく、仕上がりもきれいになります。場合によっては一般的な接着剤でもくっつきますが、すぐに壊れてしまうでしょう。

陶器に適した接着剤は、主に瞬間接着剤・エポキシ樹脂系接着剤・シリコーン系接着剤などが挙げられます。瞬間接着剤は、もちろん陶器にも対応したものを選びます。「瞬間」と付いているだけあって硬化するのが早いので、素早くくっつけていくのがポイントです。割れた範囲が小さいものなら便利ですが、広範囲を修理・修復するには不向きでしょう。

エポキシ樹脂系接着剤は、その名のとおりエポキシ樹脂を主成分とした接着剤になります。2種類の液剤を十分に混ぜたら、割れた陶器に少しずつ塗布していきます。このタイプの接着剤は耐水性があるので、水に強く濡れても問題ありません。また、さまざまな用途で使用できるのもうれしい点です。

シリコーン系接着剤は、シリコーンポリマーを使用した接着剤です。耐水性や耐熱性に優れているだけでなく、耐寒性もあるため、陶器以外にも使うことができます。食洗機にも強いため、食器類の修理・修復にもおすすめでしょう。

接着剤の選び方

先ほど紹介した3つの接着剤から選びますが、陶器にもいろんな種類があるため、すべてに同じ接着剤を使用するのはNGです。

たとえば食器類は、口に入れても安全なものを選びましょう。シリコーン系なら耐水性・耐熱性にも強いので、ガシガシ洗っても壊れる心配もありません。食器類以外の陶器であれば、どの接着剤を使ってもOKです。

ちなみに、接着剤のなかにはホルムアルデヒドなどの有毒成分が含まれているものが存在します。食器類に使用しなくても、小さなお子さんがいる方やペットを飼っている方は、修理・修復した陶器を手の届く場所に置かないように注意してください。万が一口に入れると非常に危険です。

選び方のポイントは、そのほかにも使い勝手・硬化時間・仕上がりなどが挙げられます。どんなに強力な接着剤でも、蓋が開けにくいものや粘土が高いものは作業がスムーズに進まないためおすすめしません。硬化時間が長いものも、作業が長引くので避けたほうがよいでしょう。微調整しながら治したい方は、硬化時間が長いものでもOKです。

はがし液・硬化促進剤

大量に接着剤を出してしまった場合や、ほかの部分に付着してしまった場合、はがし液があると助かります。はがし液とは、その名のとおり付着した接着剤をきれいにはがすアイテムです。皮膚に付いた際にも役立つので、一家に一台持っておくと安心でしょう。

硬化促進剤は、硬化時間を早めるアイテムです。作業をスピーディーに済ませたい場合、この液剤を持っておくと円滑に進められます。また硬化を早めることで白化も防げるので、仕上がりもきれいになるでしょう。

まとめ

割れた陶器を自分で修理・修復する方法を紹介しました。

陶器にもいろんな種類があり、大きさもさまざまです。今回紹介した方法は、どちらかというと小さいものや食器類以外の修理・修復に向いています。粉々になってしまったものやサイズが大きいものは自分で直すのはむずかしいため、処分するか専門家に依頼してみるとよいでしょう。

また接着剤を使用する際はしっかり換気をし、種類や用途にも十分注意してください。それさえ守れば、誰でも簡単に直すことができます。

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