金継ぎは日本の伝統的な技術で、割れたり欠けたりした陶器を修復し、新たな美しさを与える方法です。高価な道具や専門知識が必要と思われがちですが、実は100均で揃う材料でも挑戦できます。本記事では、初心者でも手軽に楽しめる金継ぎの方法を、必要な道具や手順とともに紹介します。
100均で手に入る金継ぎ道具
100均で手軽に揃えられる道具を使って、まるで金継ぎのように割れた陶器を修復できます。
では、100均で手に入る金継ぎに必要な道具を紹介します。
瞬間接着剤
100均では、強力で乾燥が早い接着剤が数種類販売されているはずです。
小さな破片や割れ目をしっかり固定できるので、精密な作業にも向いています。必ず陶器に使える接着剤を選びましょう。
耐水エポキシパテ
接着面や欠けた部分を補修する際に便利なのが耐水エポキシパテです。
耐水エポキシパテは硬化後に強度をもち、水にも強いため、食器や花瓶など日常的に使用するアイテムの修復に適しています。100均で手に入るものでも十分な性能を発揮し、使いやすいサイズで販売されています。
耐水ペーパー(紙ヤスリ)
耐水ペーパー(紙ヤスリ)は、接着面や補修箇所を滑らかに整えるための道具です。
100均でもさまざまな粗さのものが揃っており、用途に応じて使い分けが可能です。仕上げ作業で滑らかな表面を作るために耐水ペーパーは重要です。
カッター
エポキシパテの成形や、不要な接着剤を削り取る作業に役立ちます。
細かい部分を丁寧に処理できるため、金継ぎ作業全体の精度を高められます。
金色の絵具と筆
金継ぎの最後の仕上げとして、修復箇所に金色の絵具を塗れば、金継ぎ独特の美しい見た目を再現できます。
100均では、アクリル絵具や水性絵具の金色が手軽に入手でき、光沢感も十分です。絵具を塗る際には、筆を使います。100均では、さまざまな種類やサイズの筆が揃っており、細かい部分まで正確に塗るために使いやすいものが見つかるでしょう。
指サック
指サックは、接着剤や絵具を扱う際に、直接手が触れないようにするためのもので、衛生的かつ安全に作業を進められます。
とくに細かい作業が多い金継ぎでは、指サックがあるとスムーズに進められるのでおすすめです。
100均で購入した道具を使った金継ぎの方法
100均で揃えた道具を使って金継ぎを行う方法を紹介します。
簡単な手順で、割れた器を美しく修復できます。
接着
まず、割れてしまった陶器の破片を瞬間接着剤でしっかりと接着しましょう。
割れた部分に少量の接着剤を塗り、破片同士をぴったり合わせて固定します。接着剤が完全に乾くまでしっかり押さえておいてください。
下地づくり
欠けた部分やヒビ割れた箇所を、耐水エポキシパテで補修します。
パテを手でこねて柔らかくし、欠けた部分に埋め込むように成形します。パテが硬化したら、補修箇所を耐水ペーパーで滑らかに整えましょう。耐水エポキシパテと耐水ペーパーを使って、器の形状をできるだけ元に戻します。
金を入れる
最後に補修した部分に、金色の絵具を塗ります。
100均の筆を使って、丁寧に金色をのせていきましょう。絵具が乾燥すると、割れた部分が金色に輝き、金継ぎ独特の美しさが現れます。
100均の道具で金継ぎするメリットとデメリット
100均の道具を使った金継ぎには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
初心者にとっては、手軽に挑戦できる点が魅力ですが、限界もあるため注意が必要です。
メリット:壊れた器を安価で簡単に直せる
専門的な金継ぎ道具は、高価で入手が難しい場合もありますが、100均で揃う道具を使えば、数百円程度で手軽に挑戦できます。
割れてしまった器を捨てるのではなく、金継ぎを通じて新しい価値をもたせられるのは、環境にも優しく、愛着のある器を長く使う素晴らしい方法でしょう。
メリット:金継ぎの勉強になる
初めて金継ぎに挑戦する方にとって、手軽に基本的な手順や材料の扱い方を学べるため、金継ぎの魅力に触れるよいきっかけとなります。
挑戦してみて、金継ぎの美しさや伝統技術への理解が深まり、より本格的に取り組みたいという興味が湧くかもしれません。
デメリット:本来の金継ぎではない
本来の金継ぎは、漆や金粉といった伝統的な素材を使い、時間をかけて丁寧に行う技術です。
しかし、100均で手に入る瞬間接着剤やエポキシパテ、金色の絵具などは、本格的な金継ぎの材料とは異なり、見た目や耐久性に差があります。
100均の道具での金継ぎはあくまでも体験程度に考えておくとよいでしょう。あくまで気軽に楽しむ方法としてとらえ、プロの仕上がりを求めるべきではありません。
本格的に学びたい場合には金継ぎ体験教室がおすすめ
もし、100均の道具で金継ぎを楽しんでみて「もっと本格的に学びたい」と感じた場合は、ぜひ金継ぎ体験教室に足を運んでみてください。
専門家の指導のもと、漆や金粉を使った本格的な金継ぎを学べるため、より深い技術と知識が身に付きます。体験教室では、初心者向けのコースも充実しており、基礎から丁寧に教えてもらえるので安心です。
まとめ
100均で揃う道具を使った金継ぎは、壊れた器を手軽に修復できる魅力的な方法です。安価で簡単に挑戦でき、金継ぎの基礎を学ぶきっかけにもなるでしょう。しかし、本格的な金継ぎとは異なり、耐久性や仕上がりに限界があるため、あくまでも体験の一環として楽しむおのです。金継ぎに興味が湧いたら、ぜひ専門の教室でさらに深い技術を学び、美しい器を作る喜びを体感してみましょう。
- 迷った方はこの教室がおすすめ
-
金継ぎ暮らし
金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。
すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。