もし金継ぎを依頼したら料金はどれくらいになる?

公開日:2025/04/15
もし金継ぎを依頼したら料金はどれくらいになる?

壊れた器を修復し、独特の美しさを生み出す日本の伝統技法に金継ぎがあります。その魅力に惹かれ、金継ぎを依頼したいと考える人も多いでしょう。金継ぎにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。この記事では、依頼時に知っておきたい料金の目安や、料金を左右する要因についてくわしく解説します。

金継ぎを依頼した場合の料金相場

金継ぎは、割れたり欠けたりした器を漆と金粉などで修復し、美しさと実用性を取り戻す伝統技術です。この技術は単なる修理ではなく、器に新たな魅力を与えるアートともいえます。

金継ぎを依頼する際、料金がどのように決まるのか気になる方も多いでしょう。本記事では、金継ぎの料金相場と料金が決まる基準についてくわしく解説します。

金継ぎの料金基準

金継ぎの料金は、多くの場合基本の修理料金+仕上げ料金という構成で算出されます。基本の修理料金は、破損の種類や範囲、修理箇所の数・サイズに基づいて決まります。一方、仕上げ料金は、金や銀を使って豪華に仕上げるか、あるいはシンプルに色漆で仕上げるかといった選択肢により異なります。

金継ぎでは仕上げ方法が料金を左右するので、予算や好みに応じて選ぶとよいでしょう。たとえば、4cmのヒビの修理ではヒビ修理の基本料金に加え、仕上げ方法として金消粉仕上げを選ぶ場合、その料金が追加される仕組みです。

修理内容が複雑であればあるほど料金は高くなり、単純な欠けや小さな割れであれば比較的低価格で済むこともあります。

金継ぎの料金相場

工房ごとに料金の設定や得意分野が異なりますが、多くの工房が最低料金を3,000円程度に設定している傾向にあります。しかし、仕上げや破損の程度によって最終的な金額は大きく変動します。

金継ぎを依頼したいときは、まず工房に連絡し、修理が可能かどうかを確認した上で見積もりを取るようにしましょう。

料金アップにつながりやすいポイント

金継ぎを依頼する際、どのような場合に料金が上がりやすいのかを理解しておくと、依頼前に予算の目安を立てやすくなります。ここでは、料金アップにつながりやすい主なポイントをご紹介します。

破損箇所が大きい場合

破損箇所のサイズが大きいと、修理にかかる手間や材料が増えるため、料金が高くなりやすいです。とくに大型の皿や壺などが真ん中で二つに割れたようなケースでは、接合面積が広く、強度を確保するために作業時間が長くなります。このような場合、費用が高額になりやすい傾向にあります。

割れが細かい場合

破損箇所の破片が細かく、数が多いことも料金が上がる要因になります。接合面の調整に手間がかかり、仕上げに使用する金粉や銀粉の量も増えるためです。

また、破片が紛失している場合や細かすぎて使えない破片がある場合には、漆で肉付けを行う必要があり、これも料金アップの要因になります。

ハイグレードな仕上げを選んだ場合

修理後の仕上げに高級感を求める場合、料金が高くなる可能性があります。たとえば、金継ぎの仕上げ方法として使用される金粉や銀粉の種類にはいくつか選択肢がありますが、金丸粉や銀丸粉を使った仕上げは料金が高めです。

丸粉は粒子が大きいため、同じ量でカバーできる面積が小さくなる一方で、光沢が強く出て高級感が増します。予算と希望する仕上がりを工房と相談しながら仕上げ方法を決定しましょう。

特殊なオプションを追加した場合

通常の修理工程に加えて、特別な要望を追加すると料金が上がる場合があります。たとえば、短い納期を希望する場合には特急料金が必要です。

また、ガラスの金継ぎのように特殊な技法を必要とする修理も、追加料金が発生します。こうしたオプションの追加は追加料金が発生するものの、仕上がりが特別なものになります。

器の種類や状態によっては依頼を断られることも

大切な器が壊れたとき、金継ぎや修理を依頼することは有力な選択肢です。しかし、すべての器が修理可能というわけではありません。器の種類や状態、さらには工房の方針によっては修理を断られるケースもあります。

ここでは、修理が断られる代表的な例をご紹介します。

ガラス製品や木製品

金継ぎはおもに陶磁器を対象としています。そのため、ガラス製品や木製の器は修理を断られることが少なくありません。これらの素材には特殊な技術や別の接着剤が必要であり、通常の金継ぎ技法とは異なるアプローチが求められるためです。

ただし、対応可能な工房も存在するので、どうしても修理を希望する場合は事前に問い合わせてみるとよいでしょう。

自分で接着した器

壊れた器を一度自分で接着剤を使って修理したものの、うまくいかなかった場合も注意が必要です。接着剤が付着したままだと、金継ぎ修理が難しくなるため、依頼を断られることがあります。

工房によっては接着剤を剥がす作業から対応してくれる場合もありますが、追加費用や納期が発生する可能性が高いです。自身で接着した後で修理を依頼する際は、できるだけ元の破片状態に戻してから相談することが望ましいでしょう。

サイズが大きすぎる器

工房によっては扱える器のサイズの基準があらかじめ定められており、それを超えるものの修理は受け付けていないことがあります。これは作業スペースや設備の制約、さらには修理後の強度を保証できないなどの理由があるためです。

仮に大きな器の修理の依頼を受けてもらえたとしても、別途見積もりや相談が必要になるかもしれません。

直火にかける器

土鍋や直火で使用する器は、修理対象外とされることがあります。金継ぎに使用する接着剤や漆は高温に弱く、直火にかけると剥がれたり、劣化したりする可能性が高いためです。

ただし、修繕後は直火で使わないことを条件に、修理を受け付けてくれる工房もあるため、どうしても直したい場合は相談してみましょう。

まとめ

金継ぎの料金は、修繕の程度や仕上げの方法によって左右されます。目安として、最低3,000円からという料金で金継ぎを受け付けている工房がほとんどです。器の修理は、その素材や状態、使用目的により対応が異なるため、事前に見積もりを取るのが安心です。器の種類や状態によっては、金継ぎを断られることもあります。断られた場合でも、ほかの工房で対応可能な場合があるため、あきらめずに問い合わせを重ねてみることが大切です。また、対応や仕上げの面で納得できる工房がなかなか見つからないときは、教室で学び、自分で金継ぎの技術を習得するのもひとつの手です。金継ぎの魅力をぜひ体感してみてください。

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金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。

すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。

東京でおすすめの金継ぎ教室比較表

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特徴食器に使える金継ぎを行える信頼できる実績が豊富本漆による金継ぎにこだわっている学べるものの種類が豊富老舗の伝統的な技術を学べる初心者でも安心して学べるスケジュールを調整しやすい
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