金継ぎに使う金粉の種類と選び方|値段・特徴・使い方を徹底解説

公開日:2025/01/15 最終更新日:2025/12/20
金継ぎに使う金粉の種類と選び方|値段・特徴・使い方を徹底解説

金粉

お気に入りの器を蘇らせる金継ぎでは、仕上げに使う金粉の選び方が美しさを左右します。一口に金粉といっても、純金、代用金、真鍮といった素材の種類や粒子の細かさによって輝きが異なります。本記事では、金継ぎに使われる金粉の種類や特徴、選び方のポイント、そして初心者でも失敗しない使い方のコツを詳しく解説します。

金継ぎに使う金粉の基本を知ろう

金継ぎにおける金粉は、仕上げの美しさを決める重要な要素です。割れや欠けを修復した部分に金粉を蒔くと、器の傷を美として再生させるのが金継ぎの醍醐味です。金粉にはさまざまな種類があり、純金や代用金のほか、銀粉や錫粉なども使われます。まずは金粉の基礎知識を理解しておきましょう。

金粉の種類は主に3つ

金継ぎに使われる代表的な金粉は、純金粉、代用金粉、真鍮粉の3種類です。純金粉は金の含有率が高く、発色・耐久性ともに優れた最高級品です。

代用金粉や真鍮粉は価格を抑えつつ、見た目も金に近い仕上がりが得られます。用途や予算に応じて選ぶことが重要です。

粒子の細かさ(号数)も仕上がりに影響

金粉には、1号~10号といった粒子の大きさがあり、数字が大きいほど粒が粗く、輝きが強くなります。

細かい金粉は繊細な表現に向き、粗い金粉は豪華な印象を与えます。修復する器の素材や模様の雰囲気に合わせて選びましょう。

金粉の形状による違い

金粉には、丸粉、平粉、切り粉といった形状があり、それぞれ輝き方や使い勝手が異なります。丸粉は光沢が柔らかく、自然な仕上がりが特徴です。

平粉は反射が強く、金属的な光沢を出したい場合に適しています。切り粉は小さな金箔片を使うもので、装飾的な表現に向いています。

純金粉・代用金粉・真鍮粉の違いと選び方

金粉を選ぶ際にもっとも重要なのが素材の違いです。それぞれの特徴と価格帯を理解して、自分の目的に合った金粉を選びましょう。

純金粉:輝きと耐久性に優れた高級素材

純金粉は、金の純度が高く変色しにくいことが最大の魅力です。湿気や空気にさらされても輝きを保ち、長期的に美しい仕上がりが続きます。

粒子が非常に細かいため塗布面へのなじみがよく、上品で深みのある輝きを演出します。その分価格も高く、1gあたり数千円から1万円以上する場合もあります。長く愛用する器や贈答用に修復する場合におすすめです。

代用金粉:手軽に使える初心者向けの選択肢

代用金粉は、真鍮や銅をベースにした合金粉です。見た目は金に近く、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。

ただし、空気や湿気で酸化しやすく、時間が経つと黒ずみが出る場合があります。そのため、上から透明なコーティングを施すことで長持ちさせられます。初めて金継ぎを行う人や練習用として使うのに最適です。

真鍮粉:華やかで力強い輝きが特徴

真鍮粉は金粉の中でもやや赤みを帯びた色合いを持ち、存在感のある輝きが魅力です。

価格は代用金粉と同程度で、純金粉の約10分の1ほどで手に入る場合もあります。金特有の柔らかい光ではなく、力強く反射する質感が好みの人に向いています。ただし、酸化による変色リスクがあるため、完成後の保護が重要です。

用途に応じた選び方

器を普段使いする場合は、耐久性の高い純金粉がおすすめです。

飾り用の器や練習作品には、コストを抑えられる代用金粉や真鍮粉が適しています。また、食器として使用する場合には安全性にも注意し、純金粉や本漆仕上げを選びましょう。

金粉の使い方と美しく仕上げるコツ

金粉の選び方を理解したら、次は使い方の基本を押さえましょう。仕上げの工程を丁寧に行うと、より美しく長持ちする金継ぎが実現します。

金粉を使うタイミング

金粉は、漆を塗ったあと、表面が少し粘り気を帯びてきた半乾きの状態で蒔くのが基本です。

早すぎると金粉が沈み込み、遅すぎると定着しません。気温や湿度によって乾き具合が変わるため、慎重にタイミングを見極めることが大切です。

蒔き方の基本

金粉の蒔き方には、筆でやさしく払うようにのせる方法と、竹筒や茶こしを使って細かく振りかける方法があります。

均一に金粉をのせたい場合は筆を使い、立体的な輝きを出したいときは振り蒔きが効果的です。金粉を多くのせすぎるとムラが出るため、少量を何度かに分けて調整するのがコツです。

仕上げと磨きのポイント

金粉を蒔いたあとは、漆が完全に乾くまで数日置きます。

その後、余分な粉を柔らかい布で拭き取り、磨き粉や綿で優しく磨くとより自然な光沢が出ます。とくに純金粉を使う場合は、強くこすると表面を傷つけてしまうため、軽い力で磨き上げましょう。

変色を防ぐ保護法

代用金粉や真鍮粉を使用した場合は、最後に透明の漆やウレタンでコーティングすることで酸化を防ぎ、長期間美しい輝きを保てます。

純金粉はコーティングの必要がないため、自然な風合いをそのまま楽しめます。

初心者がやりがちな失敗

金粉を蒔く際に手の脂がつくと、定着が悪くムラになります。

また、金粉を節約しようと薄く塗ると輝きが損なわれる場合もあります。作業前に手袋を着用し、均一に金粉が行き渡るように注意しましょう。

まとめ

金継ぎに使う金粉は、種類や粒子の大きさ、素材によって輝きや耐久性が大きく変わります。純金粉は高価ですが長持ちし、上品な美しさを放ちます。代用金粉や真鍮粉はコスパがよく、練習用やカジュアルな修復に最適です。どの金粉を選ぶにしても、素材の特性を理解し、丁寧に扱うことが仕上がりの鍵です。金粉を使った金継ぎは、単なる修復ではなく、壊れた器に新たな価値と美を与える伝統の技です。素材を見極め、自分だけの輝きを生み出してみてください。

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金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。

すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。

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