本漆と簡易金継ぎの違いとは?初心者が知っておきたい特徴・仕上がり・費用を徹底比較

公開日:2026/02/15
本漆と簡易金継ぎの違いとは?初心者が知っておきたい特徴・仕上がり・費用を徹底比較

割れた器を修復する金継ぎには、本漆を使う伝統的な方法と、現代的な簡易金継ぎの2種類があります。どちらも美しく仕上がりますが、工程・材料・費用・仕上がりの質に大きな違いがあります。この記事では、初心者が知っておくべき両者の特徴とメリット・デメリットを比較し、自分に合った方法を選ぶためのポイントを詳しく解説します。

本漆金継ぎとは?伝統的技法の魅力と特徴

本漆を使う金継ぎは、古くから伝わる日本の伝統的な修復技法です。主な材料は天然の漆樹液で、器の割れや欠けを埋め、金や銀粉を使って継ぎ目を装飾します。時間と手間はかかりますが、自然素材ならではの深みのある艶と強度が得られるのが特徴です。

天然素材のもつ美しさと耐久性

本漆は硬化するまでに湿度と温度の管理が必要で、数週間から数か月かけてゆっくりと仕上げます。手間はかかりますが、完成後の仕上がりは格別で、艶やかでしっとりとした質感が魅力です。

漆は固まると非常に強度が高くなり、水や熱にも強いため、修復した器を再び日常的に使えます。また、時間の経過とともに艶が増し、使うほどに味わいが深まるのも本漆ならではの魅力です。

デメリットと注意点

最大の難点は、扱いの難しさと時間のかかる工程です。漆は湿度管理を誤ると硬化せず、肌に触れるとかぶれることもあります。

初心者が独学で挑戦するにはハードルが高いため、まずは経験者のもとや専門教室で学ぶのが安心です。また、本格的な漆器職人に依頼する場合、修復費用は1万円〜数万円と高額になりやすい点にも注意が必要です。

簡易金継ぎとは?手軽に楽しめる現代的な修復法

簡易金継ぎは、現代のライフスタイルに合わせて考案された手軽な修復方法です。エポキシ樹脂や合成接着剤を使用することで、初心者でも自宅で安全に行えるのが大きな特徴です。漆かぶれの心配がなく、乾燥時間も短いため、気軽に挑戦できるのが魅力です。

使用する材料と手順

一般的な簡易金継ぎでは、割れた部分をエポキシ系接着剤で固定し、隙間をパテで埋めてから金粉・真鍮粉・金色の塗料などで継ぎ目を装飾します。硬化までの時間は数十分から数時間と短く、本漆金継ぎに比べて圧倒的にスピーディーです。また、最近では簡易金継ぎ専用キットも販売されており、初心者でも必要な道具が一式そろうため始めやすい環境が整っています。

簡易金継ぎのメリット

時間とコストを抑えられることが最大の魅力です。材料費は数千円から始められ、短時間で完成させられます。

さらに、接着剤は透明で扱いやすく、アレルギーのリスクも低いため安心です。器を修復しながらデザインを楽しむアート感覚で取り組む人も増えています。

デメリットと注意点

エポキシ樹脂は本漆に比べて経年劣化しやすく、時間が経つと黄ばみや剥がれが起こる場合があります。また、高温や直射日光に弱いため、食洗機や電子レンジには不向きです。あくまで観賞用・インテリア用として楽しむのが基本で、食器として再利用する場合は安全性を確認する必要があります。

本漆と簡易金継ぎを徹底比較!選び方のポイント

ここでは本漆と簡易金継ぎの特徴を整理し、自分に合った方法を選ぶための判断基準を紹介します。

仕上がりの違い

本漆は深みのある艶と上品な質感が最大の特徴で、修復というよりも“再生美”を感じさせる仕上がりです。時間とともに色艶が変化する経年美化も魅力です。一方、簡易金継ぎは手軽に完成しますが、金属粉の質感がやや人工的で、耐久性は限定的です。

費用と手間の違い

本漆は職人に依頼すると1万円〜5万円ほど、難易度の高い器では10万円を超えることもあります。自分で行う場合でも材料費や道具代がかかり、制作期間は1〜3か月が目安です。対して簡易金継ぎはキットを使えば数千円、数時間で完成する手軽さが魅力です。

安全性と実用性

本漆は天然素材のため、完全に硬化すれば食器として安心して使用できます。一方、簡易金継ぎは化学接着剤を使用します。

しかし、使用する素材によっては食品衛生法上、食器としての使用が推奨されません。簡易金継ぎは、あくまで飾りやアートとして楽しむのに適しています。

どちらを選ぶべき?

長く使いたい大切な器や思い出の品を修復したいなら、本漆による正統派金継ぎがおすすめです。自然素材の美しさと耐久性を兼ね備え、何十年も使い続けられる価値があります。

対して、初めて金継ぎに挑戦したい人、短時間で仕上げたい人には簡易金継ぎが最適です。目的や用途に応じて使い分けるのが理想です。

初心者が金継ぎを始める前に知っておきたいポイント

金継ぎは修復作業であると同時に、自分の暮らしを見つめ直す時間でもあります。失敗を恐れず、器を大切にする気持ちをもって取り組むことが重要です。

作業環境を整える

本漆金継ぎの場合は、湿度と温度が仕上がりを左右します。湿度が50〜70%程度ある部屋で行い、ホコリが入らないように注意しましょう。簡易金継ぎでは換気をしながら作業することが安全面でも重要です。

最初は小さな器から

初心者は小皿や湯のみなど、修復範囲が小さい器から始めるのが理想です。いきなり大きな皿や急須など複雑な形に挑戦すると、工程が多く失敗しやすくなります。

完成後の扱い方

本漆で修復した器は、使うたびに艶が増し、時間とともに色合いが落ち着いていきます。簡易金継ぎの器は耐熱性が低いため、手洗いで優しく扱うのが長持ちのコツです。

まとめ

本漆と簡易金継ぎは、どちらも割れた器を蘇らせる素晴らしい技法ですが、目的や用途によって最適な方法は異なります。伝統的な美しさと耐久性を重視するなら本漆、手軽さと創作の楽しさを求めるなら簡易金継ぎが向いています。大切なのは、器を再び愛着をもって使えるようにすることです。自分のライフスタイルや価値観に合わせた金継ぎで、暮らしに新たな温もりを取り戻しましょう。

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金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。

すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。

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特徴食器に使える金継ぎを行える信頼できる実績が豊富本漆による金継ぎにこだわっている学べるものの種類が豊富老舗の伝統的な技術を学べる初心者でも安心して学べるスケジュールを調整しやすい
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