電子レンジはNG?金継ぎされた器の取り扱い方

公開日:2025/05/15
電子レンジはNG?金継ぎされた器の取り扱い方

金継ぎは器の傷や割れを漆と金粉で修復し、新たな美を与える日本の伝統技法です。独特な素材と繊細な仕上げから、金継ぎされた器の日常使いには注意が必要です。適切な取り扱いを知らないと、せっかくの器が損傷することもありえます。この記事では、金継ぎされた器を美しく保ち、長く楽しむためのポイントをご紹介します。

金継ぎされた器は電子レンジ・オーブンの使用不可!

金継ぎで修復された器は、普段の扱いに少し注意が必要です。結論からいうと、金継ぎされた器は電子レンジやオーブンの使用ができません。金継ぎに使われる修復材には金属粉が含まれています。この金属粉が電子レンジで反応して火花を散らし、最悪の場合、火災の原因になることもあります。

もちろんトースターや蒸し器、直火での使用も禁止です。高温環境は漆や金属粉を傷めるだけではなく、器そのものの破損にも繋がります。また、食洗機や乾燥機の利用もNGです。強い水圧や高温で金継ぎの修復部分がぽろっと剥がれてしまったり、漆の艶が損なわれたりする可能性があります。

もし家庭内で器を共有している場合は、「この器は金継ぎされているから取り扱い注意」と事前にほかの家族に伝えておくことが大切です。とくに日常使いで気軽に使われやすい器は、誤った方法での使用を防ぐために「電子レンジ使用禁止」などのメモを貼っておくとよいでしょう。

そのほかに注意すべきこと

金継ぎによる修理は、壊れてしまった器を再び使えるようにするとともに、器に美しさをもたらす素晴らしい技術です。しかし、その美しさを長く保つためには、いくつかの注意点を守る必要があります。

ここでは、金継ぎされた器を愛用する際に気をつけるべきポイントを解説します。

修理後すぐの使用は避ける

金継ぎに使用する漆には、湿気を吸ってゆっくりと乾燥するという性質があります。そのため、完全に乾燥するまでには非常に時間がかかります。時間が経つほどに漆は硬化し、耐久性が増します。

そのため、修理が完了してからすぐに器を使用するのではなく、数か月間待つのが理想的です。待っている間は、完成品を眺めて楽しむ時間と考え、ぐっと我慢しましょう。

やさしく洗う

金継ぎ部分の金属粉が剥がれるのを防ぐため、器を洗う際にはスポンジを使い、やさしく撫でるように汚れを落としてください。食器用洗剤を使用することはまったく問題ありませんが、たわしやメラミンスポンジ、クレンザーのような研磨剤の使用は剥がれの原因になるため、使用を避けましょう。

また、洗った後はすぐに乾いた布巾で拭き、しっかりと自然乾燥させてください。乾燥機は使用しないのが鉄則です。

水につけたままにしない

長時間水に浸しておくと、金継ぎ部分にダメージが加わる恐れがあります。使用した後は速やかに汚れを落とし、つけ置き洗いを避けるようにしましょう。

直射日光を避ける

漆は紫外線に弱いため、金継ぎされた器を直射日光に長時間さらすのはNGです。窓際に置く際はカーテンを使用するなどして、光を遮る工夫をするとよいでしょう。

鋭利なものを当てない

フォークやナイフのような硬い食器が金継ぎ部分に当たると傷つく可能性があります。とくに、器の底など頻繁に接触が起こりやすい部分には注意が必要です。可能であれば、木製のスプーンを使うなど、使用するアイテムを工夫してみてください。

冷蔵庫での長時間保存を避ける

冷蔵庫内での乾燥により、金継ぎ部分にヒビが入ることがあります。食品から出た水分や油、塩分も長時間修復部分に触れていれば、決して無害とはいいきれません。短時間の保管は問題ありませんが、長時間の使用は避けるのが無難です。

ほかの器と直接重ねない

収納時にほかの器と重ねる場合、金継ぎ部分が直接触れないように注意しましょう。衝撃や擦れが原因で修復部分が欠けたり、金属粉が剥がれるリスクがあります。保管の際は薄い布やクッション材をほかの器との間に挟んで保護するのがおすすめです。

金継ぎは再修理も可能

金継ぎは、単なる修復技術ではなく、器の物語を紡ぐアートです。金継ぎの魅力は、その器の歴史を大切にしながら、何度でも蘇らせることができる点にあります。つまり、万一金継ぎした部分が剥がれてしまったり、また取れてしまったりしても再修復することが可能なのです。

再修理では、まず古い修理箇所をていねいに剥がします。その後、新たに漆を塗り、金粉や銀粉を蒔くなど、初めての修理と同様の工程を行います。剥がれた箇所が小さい場合は、部分的な修復だけで済むこともあります。

再修理を行うことで、器は独特の風合いを増し、より深い味わいを持つようになります。もし金継ぎ部分が劣化しても、再修理によって器は再び輝きを取り戻すので、諦めず金継ぎの再修理を検討してみてください。

まとめ

金継ぎされた器は、電子レンジやオーブン、直火での使用はできません。また、水につけっぱなしにしたり、冷蔵庫での長時間保存に使用したりするのもNGというように、さまざまな弱点を持っています。こうした特徴をはじめのうちは手間に感じるかもしれません。ですが金継ぎされた器をていねいに扱うことで、器に対する愛着も一層深まることでしょう。漆器と同じように取り扱いの注意が必要な金継ぎの器ですが、その魅力は何にも代えがたいものです。正しいケアをして、大切な器を末永くお楽しみください!

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金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。

すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。

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