東京の金継ぎおすすめ1日体験プラン5選

公開日:2024/02/16 最終更新日:2025/09/11
金

金継ぎの1日体験教室は、割れてしまった器を「捨てる」のではなく「新しい美しさを与える」という、日本ならではの価値観を学べる機会です。近年は、器を修復するだけでなく、自分だけのオリジナル作品として再生させる体験が注目を集めています。

天然漆を使った本格的な方法から、初心者でも安心して参加できる合成漆を用いた簡易的な方法まで、教室ごとに特徴はさまざま。加えて、持ち込みの器で思い出をよみがえらせるプログラムや、金継ぎの技法を応用したアクセサリー作りなど、楽しみ方の幅も広がっています。

この記事では、東京都内で人気を集める金継ぎの一日体験教室をまとめてご紹介し、はじめての方でも安心して選べるよう、その魅力や特徴をわかりやすくお伝えします。

金継ぎ暮らし(1日体験コース)

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金継ぎ暮らし(1日体験コース)の基本情報

会社名金継暮らし
住所〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-14-8 2階

金継ぎ暮らしの1日体験コースは、「簡易金継ぎ」を1日2〜2.5時間で実践し、完成した直後に作品を持ち帰れる初心者向けワークショップとなっています。この1日体験コース、ならびに簡易金継ぎの詳細を見ていきましょう。

簡易金継ぎの魅力

1日体験コースで実施される簡易金継ぎには、以下のような魅力があります。

■ 本漆を使わず、肌に優しい
従来の金継ぎで使用される本漆ではなく、本漆を使用しない特殊な方法を採用しているため、漆によるかぶれの心配がありません

■ 食器として安心して使える
多くの簡易金継ぎでは食器には使えない道具や材料もありますが、金継ぎ暮らしでは使用するすべての道具・材料が「食品衛生法370号ポジティブリスト制度」に適合しており、金継ぎ後も安心して食器として使用できます。

1日体験コースの料金・時間・支払い方法

金継ぎ暮らしの1日体験コースは、以下の概要になっています。

所要時間:2〜2.5時間ほどと短時間での体験
参加費:8,800円(税込)
支払い方法:現金・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応

また、金継ぎ用の器がない場合、教室の方で体験用の器を1個300円(税込)にて提供しています。

サポート内容・受講の柔軟性

器の破損が激しい場合、1回では完成しない可能性がありますが、事前に器を預けておけば、講師が途中まで修復しておいてくれる無料サービスがあります。

また、講師のサポート体制においては、参加者は通常4名程度で、講師とアシスタントがついて丁寧に教えてくれるので安心です。

器の持ち込みは基本的に自由で、制限がありません。自宅の割れた器をそのまま持って行って修復できるほか、時間内であれば何個でも修繕可能ですし、ガラス器や取っ手付きの器、器以外のアイテムも対象です。

会場とアクセスの充実

金継ぎ暮らしは東京都内に複数の教室を展開しており、通いやすさも魅力です。都内の各教室は、以下の通り。

・自由が丘教室(目黒区・東横線ほか)
・六本木ヒルズ教室(港区・日比谷線/大江戸線)
・府中教室(京王線・府中駅付近)
・大宮教室など

そのほか、イベント開催や出張教室もあるため、日程や場所の柔軟な選択が可能です。

体験者の声・魅力点のまとめ

金継ぎ暮らしの1日体験コースに参加された方からは、1日で完成してその日のうちに持ち帰れるという点が高評価を得ていました。短時間で完了し、思い出としてすぐ手元に残るのがうれしいという声があります。

また、食品衛生法上も問題ない接着剤を使っている点が参加の決め手になった方も見られ、安全性への配慮が評価されています。さらに、講師とアシスタントによる少人数制の丁寧なサポートがあり、初心者でも安心して参加できる点も好評のようでした。

工房こつぐ(満月コース)

工房こつぐ(満月コース)のメイン画像

工房こつぐ(満月コース)の基本情報

会社名工房こつぐ
住所東京都世田谷区奥沢駅(詳細非公開)

「満月コース」は、工房こつぐが不定期で開催する、本格的な金継ぎの1日体験コースです。参加者は教室での体験に加え、自宅でも作業できるオリジナルの金継ぎセットを持ち帰ることができます。ここでは満月コースについてご紹介しますので、参考になさってください。

参加費・セットの内容

満月コースの料金やセット内容を見ていきましょう。

参加費用:1万8,150円(税込)※金継ぎセット込み
セット内容:自宅で使えるオリジナル金継ぎセット(市販価格約1万4,000円相当)
     ※通常販売品にはないサンプル2点や、蒔絵粉2種などが付属。

特に魅力的なのは、手順書に沿って道具や材料の使い方を丁寧に説明してもらえる点です。漆の調合や工程に関する指導に加え、実際の作業を通じて理解を深める機会があるため、初心者でも安心して参加することができるでしょう。

体験内容の特徴

満月コースの特徴は、“丸粉仕上げ”と“消し粉仕上げ”という、2種類の仕上げ技法を一度に体験できること。具体的には、代用品を使った「消し粉仕上げ」と、本銀を蒔いて磨き上げる「丸粉仕上げ」の両方が含まれています。そのため、完成した作品を2点、持ち帰ることができるのも大きな魅力です。

このコースは、体験としても“手軽だけどしっかり本漆や本銀を使った本格金継ぎ”を楽しめる構成になっており、少し時間と費用をかけても価値のある体験といえるでしょう。

注意点・持ち物について

満月コースでは、基本的に持ち込みによる器の修理は不可となっており、あくまで講師が用意した器やサンプルを使った体験となります。そのため、直したい器がある場合は、コースで提供されるセットを使用し、ご自宅で金継ぎをすることとなるでしょう。

なお、満月コースでは金継ぎの基本的な道具を用意していますが、当日はエプロン(袖のある割烹着推奨)持参で、汚れてもいい服を着用することをおすすめします。

申込方法については、公式サイト内の予約フォームから希望日時を選んで手続きをしてください。不定期開催のため、開催日程を都度公式サイトで確認する必要があります。

工房こつぐの他コースとの違い

比較として、弦月コースは、金継ぎの仕上げを「消し粉仕上げ」までに限定したシンプルな体験であり、持ち帰る器は1点のみ。また、工程の関係で自宅で仕上げる工程が含まれる場合もあります。

それに対し、満月コースはしっかり仕上げまで教室で体験し、丸仕上げも含める点で差別化されています。

TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)(金継ぎ一日体験コース)

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TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)(金継ぎ一日体験コース)の基本情報

会社名TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)
住所〒107-0062 東京都港区南青山3-8-2

TNCA☆は、東京・南青山の表参道エリアに位置する陶芸家・金継ぎ師・ガラス工芸師の中野拓氏による「セラミックアーティスト」スタジオ。伝統工芸に独自の発想を融合させた先鋭的な創作で知られています。

その中で「金継ぎ一日体験」は、天然漆と純金粉を用いた本格的な金継ぎ技術を、初心者でも気軽に体験できるコースです。当日中に完成作品を持ち帰れる点が大きな魅力です。

コースの種類と概要

TNCA☆では、金継ぎの一日体験ができるコースを、複数用意しています。

【Option A:朱漆貫入染め金継ぎ(しゅうるしかんにゅうぞめ)】
ひび割れ部分を朱漆で染め、金継ぎでアクセントを施す朱漆貫入染め金継ぎという技法を体験できるこのコースでは、侘び寂の美を学びながら仕上げていきます。

時間:約110分(約1時間50分)
料金:2万2,000円(税込、材料費・受講料込み)/1名
  ※団体割引(4名以上)・代理店紹介手数料あり
使用する器:中野拓氏が創作したオリジナルの小皿(釉薬や土にこだわりあり)から選択
持ち帰り:完成後、観賞用ケースに入れてそのまま持ち帰り可能。

 

【Option B:漆黒雷(しっこくらい)コース】
より細かく、複雑な割れに挑めるコース。主に天然漆と純金粉を使用し、少量の化学樹脂も併用しますが、食器などにも使えるよう安全性も考慮されています。

時間:約90分(約1時間半)。
料金:1万5,400円(税込、材料費・受講料込み)/1名
  ※団体割引・代理店紹介手数料あり
持ち帰り:同様に、その日のうちに完成し持ち帰ることが可能。

 

【その他のコース補足】
TNCA☆では、ほかにも呼び継ぎ技法を簡易体験するコースや、江戸小紋豆皿を使った体験(90分、約6,600円/2名〜)など、多様な体験メニューを提供しています。

TNCA☆の「金継ぎ一日体験」の魅力

TNCA☆の一日体験には、次のような魅力があります。

まず、本格技術を短時間で学べるという点。天然漆・純金粉を使った本格金継ぎを、90〜110分で体験できるのは貴重です。

また、当日に完成・持ち帰りができることも便利。特に旅行者にとっては、ありがたいですよね。

美術性と哲学を体感できることも、大きな魅力です。ただ器を修復するだけでなく、侘び寂を学びながら、という日本文化の奥深さも体験できるでしょう。

用いる材料も、健康面に配慮されているという点で安心感があります。Option Bでは少量化学樹脂が使われますが、安全性に配慮された仕上げになります。

器は厳選されたものが用意されており、中野氏オリジナルのこだわり小皿で体験できる点もユニークでしょう。

そして料金は団体割引が適用され、少人数からグループまで対応可能。代理店経由や複数人予約にも柔軟です。

日本金継ぎ協会

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日本金継ぎ協会の基本情報

会社名日本金継ぎ協会
住所〒107-0062 東京都港区南青山6-12-12 南青山マンション205

「うつわ 御結 HANARE」は、東京・南青山にある、創業120年以上の歴史をもつ器問屋「京橋白木」運営の、セレクトショップ兼ギャラリーです。

「日本金継ぎ協会」では、このショップを貸し切って、現代風の金継ぎ体験ワークショップを開催。この教室では、合成うるし(新漆)を使用した「現代風金継ぎ技法」 を教えており、はじめての方でも学びやすいのが特徴です。

全国各地の窯元や作家の器が並ぶ空間で、落ち着いた雰囲気の中で体験できるでしょう。

金継ぎ体験の内容と流れ

日本金継ぎ協会の金継ぎ1日体験の概要は、以下になります。

所要時間:1回あたり約150分(2時間30分)
参加人数:1〜6名まで対応、少人数制で丁寧なサポート。
料金:1名 8,800円(税込)

■ 手順
ワークショップは、大まかに以下のような流れで進みます。

①器の持ち込み&選択
自身の割れた器を持参することができるほか、ギャラリーにあるセレクトされた器から選んで体験することも可能。
※ギャラリーの修復用の器を利用する場合は有料となる

②金継ぎ体験
講師を務める萩原利之氏は、香川県で三代続く漆芸家・伝統工芸士の、中田陽平氏の弟子にあたる人物で、日本金継ぎ協会公認の金継ぎ師です。ワークショップでは、この萩原氏の指導のもと、新漆を使って欠けや割れの修復を行い、金粉で仕上げる現代風の金継ぎ術を学びながら実践します。

③ティータイム
体験後にはお茶とお菓子のおもてなしがあり、器を鑑賞しながら うつわの扱い方や選び方のレクチャー を受けることができます。器への理解と愛着が深まる時間です。

④持ち帰り可能
作った作品は、当日中に持ち帰ることが可能。完成した器をそのまま楽しめる点が魅力です。

ワークショップの魅力

日本金継ぎ協会が開催するワークショップでは、リーズナブルでありながら、本格的な金継ぎを体験できます。

■ 現代風ならではの利点
ワークショップで使用するのは、新漆(合成うるし)と呼ばれるもの。本漆ではないため、こだわりたい方にとっては物足りないかもしれませんが、この新漆は本漆に比べアレルギーリスクが低く、短時間で仕上げられるというメリットがあります。伝統的な技法よりも気軽かつ安全に金継ぎを楽しめる点が、初心者にもうれしい配慮です。

■ 審美眼や文化理解も深まる
ワークショップで学べるのは、金継ぎだけではありません。ギャラリーに展示された和食器の鑑賞や、講師からのレクチャーを通じて、器選びの視点や長く使うためのコツなどについて教えてもらえるのも特長です。気になることがあれば、ここで質問してみるのもいいでしょう。

Makers’ Base

Makers’ Base  のメイン画像

Makers’ Base の基本情報

会社名Makers’ Base
住所〒152-0031 東京都目黒区中根1-1-11

東京都目黒区・東急東横線「都立大学」駅徒歩1分に位置する「Makers’ Base」は、ものづくり好きに人気のシェア工房です。木工・金工・陶芸・デジタル加工など100種類以上の設備が整った空間を武器に、さまざまなワークショップを提供しています。

その中でも人気なのが「金継ぎ体験教室」で、伝統技法をアレンジした手軽なかたちで体験できる、なんちゃって金継ぎが魅力です。

通常料金と概要(器の修復)

Makers’ Baseの、はじめての金継ぎを体験するワークショップでは、持ち込んだ器の欠けや割れを「エポキシ接着剤」+「パテ」で補修し、合成漆風塗料に真鍮粉や銀粉で装飾します。概要を見てみましょう。

通常価格:7,000円(税別)
所要時間:約2時間
対応できる素材:陶器・磁器・ガラス製品が対象 ※木製不可

■ 器持ち込み可・手ぶらでもOK
ご自身の器がなくても、工房が常時20種類以上(平皿、茶碗、小鉢、湯のみ、マグ、花器など)用意しており、器をその場で選ぶかたちで体験できます。
※器は別途2,000円(税別)

■ 修復目安
端の軽微な欠けは5~6箇所、割れは長さ20cm以内で2〜3箇所、大きな欠けは2~3c㎡まで修復可能。複雑な破損は1回で完了できない場合があり、再参加が必要な場合もあります。

アクセサリー作り(金継ぎ風)

Makers’ Baseでは、金継ぎ技法を応用したオリジナルアクセサリー作りも人気です。

■ グラスピアス/イヤリング
色鮮やかなガラスを金継ぎで組み合わせ、ピアスやイヤリングに加工するワークショップです。

価格:5,000円(税別)
時間:約1.5時間

体験ではシーグラスを接着し、合成漆+真鍮粉または銀粉で金継ぎ風に仕上げ、金具を取り付けて完成となります。

■ 天然石ピアス/イヤリング
天然石を用いた金継ぎアクセサリーを手作りするワークショップで、グラスピアス/イヤリングと同時開催となります。

価格:5,000円(税別)
時間:約2時間

体験では、天然石を好きなデザインで選び、仮留め→合成漆→金粉噴霧→金具取り付けという工程で仕上げていきます。基本4個(両耳用)セットで、石を追加する場合はプラス料金が発生。

なお、いずれのアクセサリーも安全性への配慮をしており、イヤリング金具は医療用サージカルステンレス製で、金属アレルギーの方にも配慮した仕様です。

選ぶ魅力と体験の特徴

Makers’ Baseの1日体験には、次のような魅力があります。

■ 手軽さと安全性
天然漆を使わず、合成素材を取り入れた「簡易金継ぎ」によって肌への負担も少なく、はじめてでも気軽に参加できます。

■ 手ぶらでもOK・素材豊富
器の持ち込みがなくても工房側で多彩なサンプルを用意。アクセサリー用のシーグラスや天然石も豊富で、創作の幅が広がります。

■ 伝統技法と現代感覚の融合
伝統の金継ぎの精神を大切にしながら、現代のライフスタイルに合うかたちで再解釈された体験は、文化的にも新鮮です。

今回は、東京で金継ぎ1日体験ができる教室を5つ紹介しました。金継ぎとは、室町時代から始まったとされる器の修復技法のことです。

割れた陶器や磁器を漆で修復し、金粉であえて目立たせる日本独自の手法です。その見た目の美しさから国内外問わず人気があり、近年では趣味として楽しむ方が増えてきています。

金継ぎ体験には、通常何日もかかりますが、金継ぎのレッスンを行う教室では、工程を簡素化した1日体験コースを用意しているところもあります。また、本来は、材料として天然の漆を使用しますが、安全で手頃な代用漆を使用するケースもあります。

本記事が参考になれば幸いです。

迷った方はこの教室がおすすめ

金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。

すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。

東京でおすすめの金継ぎ教室比較表

イメージ
教室名金継ぎ暮らしTNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)工房こつぐにっぽん てならい堂夢東日本金継ぎ協会つぐつぐ
特徴食器に使える金継ぎを行える信頼できる実績が豊富本漆による金継ぎにこだわっている学べるものの種類が豊富老舗の伝統的な技術を学べる初心者でも安心して学べるスケジュールを調整しやすい
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