日本では古くから、物を大事に使うという考え方が根付いていました。金継ぎ技術もそのような考えから生まれたとされています。
金継ぎとは、陶磁器の欠けや割れを漆で修復し、その跡を金や銀などの金属粉で塗ることであえて目立たせる日本の伝統技法です。その見た目の美しさから骨董品として人気がありますが、近年は趣味として楽しむ方が増えてきています。
そこで今回は、東京で金継ぎ体験ができる教室について紹介していきます。
CONTENTS | 目次
金継ぎ暮らし(1回コース)
金継ぎ暮らし(1回コース)の基本情報
会社名 | 金継暮らし |
住所 | 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-14-8 2階 |
金継ぎ暮らしは、都内に3カ所教室を持つ金継ぎ教室です。特徴や魅力を紹介します。
アクセスしやすい好立地な教室
金継ぎ暮らしは、東京都内に3カ所、埼玉県に1カ所の教室を構える金継ぎ教室です。気軽に参加できる「1回コース」と本格的に金継ぎを学べる「4回コース」を提供しています。
金継ぎ暮らしの教室はいずれも駅から近く、アクセスしやすい点が魅力的です。自由が丘教室は、自由が丘駅から徒歩7分、六本木ヒルズ教室は六本木駅から徒歩7分の位置にあります。さらに、府中教室は府中駅から徒歩5分、大宮教室は大宮駅から徒歩7分で到着します。
なお、六本木ヒルズ教室については、東京メトロ日比谷線六本木駅の地下通路からコンコースでつながっているので、地上に出る必要がありません。天候や気温を気にせず、気軽に向かうことができます。
ほぼ毎日、いずれかの会場で金継ぎ教室が開催されているので、都合に合わせて選べます。
監修実績豊富な講師陣
金継ぎ暮らしでは、テレビドラマや大手企業での監修実績が豊富な講師陣が指導を行っています。また、大手海外メディアから取材を受けるなど、金継ぎ暮らしのレッスンは世界規模で注目を集めています。
金継ぎ技術は難しいと思われがちですが、金継ぎ暮らしでは、「簡易金継ぎ」という方法で器を直す「1回コース」を用意しているので、初心者でも気軽に楽しめます。簡易金継ぎは本漆を使用しないため、肌がかぶれる心配もありません。
なお、器の破損が激しい場合、1回コースでは完成しないこともあります。1回で器を直したいという方には、事前に講師が器のお直しを行っています。
参加日までに器を郵送もしくは直接持ち込みすることで、追加費用なしでお直しを依頼できます。また、時間が掛かっても自分で直したいという方は、複数回通うことで、器を完成させることができます。
食品衛生法基準をクリア
簡易金継ぎを学べる教室では、食器として利用できる道具を使っていないことがほとんどです。しかし、金継ぎ暮らしでは、国が設定した「食品衛生法基準」をクリアした道具を使用するため、修復した食器を食卓で利用することができます。
「1回コース」の場合、2時間から2時間半の体験時間が用意されています。時間内であれば、何個でも器を直すことができます。一般的に欠けている器の場合、2~3点、割れている器の場合、1点~2点ほど直すことができます。
自宅に器がない場合には、体験用の器を300円(税込)で購入することができます。直した器は、当日そのまま持ち帰れます。
簡易金継ぎでは漆かぶれの心配がないため、小さな子どもでも参加することができます。
工房こつぐ(1日体験コース)
工房こつぐ(1日体験コース)の基本情報
会社名 | 工房こつぐ |
住所 | 東京都世田谷区奥沢駅(詳細非公開) |
工房こつぐは、東急電鉄目黒線「奥沢駅」からすぐ近くにある金継ぎ教室です。特徴や魅力を紹介します。
本漆を使った金継ぎが学べる
工房こつぐは、世田谷区にある金継ぎ教室です。東急電鉄目黒線「奥沢駅」からすぐ近くに位置しており、申込者に対して個別に住所を案内しています。
工房こつぐでは、月2回の継続コースと1日体験コースの2種類のプランを用意しています。月2回のコースは、2024年2月現在、全て満席となっており、キャンセル待ちを受け付けています。1日体験コースは、随時受け付けています。
金継ぎには、大きく分けて、「天然の本漆を使った金継ぎ」と「漆に似た接着剤を使った簡易金継ぎ」の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、工房こつぐでは、本漆を使った金継ぎにこだわっています。
本物の漆は天然ものなので、湯飲みやお皿など、直接口をつける食器にも安心して使用できます。また、本漆は時間が経つほど、より強く硬化していきます。
そのため、劣化するよりも先に、色やツヤの変化を楽しむことができます。工房こつぐでは、そんな本漆の面白さを広めるために、1日体験コースでも本漆を使用しています。
なお、本漆の主成分であるウルシオールは、皮膚に付着するとかぶれを起こす可能性があります。体験の際には、手袋を使用するなどのかぶれ防止に努めているので、安心して金継ぎを楽しめます。
また、ウルシオールによるアレルギー反応は、液状のときに発生します。器として使用する時点では漆の硬化が完了しているので、心配ありません。
自宅でオリジナル金継ぎセット付き
工房こつぐでは、「通常体験コース」と「特別体験コース」の2種類を用意しています。通常体験コースでは、エプロン以外の必要な道具をすべてレンタルできます。レッスン時に使用する漆や金継ぎの材料、かぶれ防止の手袋なども用意されているので、身軽に参加できます。
本漆を使った金継ぎは、7回以上通って学ぶのが一般的ですが、工房こつぐでは、工程ごとに器を変えることで、1日で体験できるコースを提供しています。通常コースは、仕上げの違いによって、「満月コース」と「弦月コース」の2種類があります。
満月コースでは、代用粉による「消し粉仕上げ」と本銀を蒔き、磨いて仕上げる「丸粉仕上げ」の2種類を体験できます。そのため、2つの器を持ち帰ることができます。
一方、「弦月コース」では、仕上げの工程で代用蒔絵粉による「消し粉仕上げ」まで体験できます。弦月コースでは、満月コースよりも工程が少ないので、体験費用が安価になっています。
また、特別体験コースには、自宅で金継ぎが楽しめるオリジナル金継ぎセットがついています。オリジナル金継ぎセットは、通常14,000円(税込)となっており、さらにサンプル2つと説明書が同封されているので、コストパフォーマンスが抜群です。
レッスン内容は、同封の説明書の案内に従って進められます。市販の指南書だけでは理解が難しい金継ぎについて、細かいレクチャーが受けられます。
TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)(金継ぎ一日体験コース)
TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)(金継ぎ一日体験コース)の基本情報
会社名 | TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆) |
住所 | 〒107-0062 東京都港区南青山3-8-2 |
TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)は、港区にある金継ぎ教室です。特徴や魅力を紹介します。
陶芸家が講師を務める金継ぎ教室
TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)は、陶芸家である中野拓氏が講師を務める金継ぎ教室です。表参道駅から徒歩4分の位置にあり、青山通りからのアクセスが抜群です。
美術館とアトリエが融合した新感覚のスタジオには、世界中から一流ブランドやVIPが訪れています。TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)では、「AstRomantic(アストロマンティック)」をコンセプトに掲げ、誰も見たことのない器づくりに取り組んでいます。
AstRomantic(アストロマンティック)とは、Astro(宇宙)とRomantic(憧れ)を組み合わせた独自の造語です。土が持つ豊かな表情を活かして、宇宙をモチーフにした器を数多く手掛けています。
伝統や格式にとらわれない柔軟な発想と確かな技術力が多くの人に支持されています。これまでに2,000名を超える生徒や芸能人、要人などに指導実績があります。
資生堂やANAインターコンチネンタルホテルなどのCMにも出演するなど、国内外から注目を集めています。
3つのコースを用意
TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)では、3種類の金継ぎ体験コースを提供しています。本格金継ぎ体験コースでは、中野拓氏が土や釉薬にこだわって創作した小皿を使用しています。さまざまな釉調や器の表情から、好みのデザインを選ぶことができます。
天然の漆と金粉を使用しているので、完成した器は飲食用として利用できます。天然の漆は皮膚に触れると漆かぶれを起こす可能性がありますが、TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)では手袋や作務衣を用意しているので、安心して体験できます。
また、簡易金継ぎ体験コースでは、「呼び継ぎ」と呼ばれる金継ぎでも最上位に位置する手法を学べます。呼び継ぎとは、欠損箇所に異なる素材や装飾で補う技術のことです。
簡易金継ぎコースでは、代用漆と代用金粉を使用しており、完成した器は観賞用として楽しむことができます。本格金継ぎコースよりも手頃な価格なので、気軽に金継ぎを楽しめます。
3つ目のコースは、日本伝統の古紋様の豆皿を金継ぎする江戸小紋豆皿コースです。江戸小紋豆皿コースのみ2名以上での予約を受け付けています。
江戸小紋豆皿コースでは、主に5種類の江戸古紋様の中から、好みのデザインを選ぶことができます。簡易金継ぎコースと同様に、代用漆と代用金粉を使用しているので、完成した器は観賞用として楽しめます。
金継ぎを通してSDGsに貢献
TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)では、金継ぎを通してSDGs活動に取り組んでいます。金継ぎは、室町時代に始まった日本独自の食器修理技術です。環境ホルモンを発しない天然の素材を使用しているので、食材の盛り付けにも使用できます。
金継ぎ体験は、法人や団体の研修として数多く採用されています。たとえば、外資系大手ファッションブランドでは、「失敗や挫折を捨てるのではなく、乗り越えて次のステージへと進む」ことをコンセプトとして、金継ぎ体験研修を行っています。
金継ぎ技術は、「壊れる前よりも強く美しく」修理するという日本独自の考え方によって育まれたとされています。TNCA☆(Taku Nakano Ceramic Arts☆)では、金継ぎ体験を通して、これからの持続可能な社会をより強く、より美しく守るという精神を伝授しています。
日本金継ぎ協会
日本金継ぎ協会の基本情報
会社名 | 日本金継ぎ協会 |
住所 | 〒107-0062 東京都港区南青山6-12-12 南青山マンション205 |
日本金継ぎ協会は、港区南青山にある金継ぎ教室です。特徴や魅力を紹介します。
高品質のうつわを使って金継ぎ体験ができる
日本金継ぎ協会は、都内を中心に業務用陶磁器を販売する「京橋白木株式会社」が運営しています。飲食店におけるサスティナビリティを推進するために設立されました。
日本金継ぎ協会では、港区南青山にあるうつわギャラリー「うつわ 御結 HANARE」を貸切り、新漆を使用した金継ぎ体験ワークショップを開催しています。ギャラリー内には、120年にわたって国内外で陶磁器を卸してきた経験を活かし、日本各地の窯元や作家作品から選りすぐりのうつわが展示・販売されています。
体験レッスンでは、自身のうつわを持ち込めるのはもちろん、ギャラリーに用意された和食器の中から好みのものを選んで、使用できます。一流の料理店で使用されていたうつわや窯元で破損したものなど、高い品質のうつわを使って体験することができます。
金継ぎレッスンを担当するのは、日本金継ぎ協会公認の金継ぎ師である萩原利之氏をはじめとする、器選びのプロです。知識が豊富な講師との会話を楽しみながら、金継ぎ技術を学べます。
なお、日本金継ぎ協会では、食品衛生検査によって安全が確認された新漆を使用しているので、修復後は食品を乗せて食器として使用することができます。ただし、耐熱温度は120℃までなので、食器としての使用が難しい場合には、部屋に飾ったり小物を入れたり、アート作品として楽しめます。
お茶とお菓子と共に器の正しい使い方を学べる
日本金継ぎ協会の金継ぎ体験コースでは、レッスンのあとにお茶とお菓子のおもてなしを用意しています。ギャラリーでセレクトした和食器とともにティータイムを楽しめます。
湯飲みやお皿を鑑賞しながら、うつわの正しい使い方についてレクチャーを受けられます。自宅でのテーブルコーディネートのコツやメンテナンス方法などが学べるので、よりうつわへの愛着が増します。
ギャラリーには、有田焼や伊万里焼、九谷焼などの有名な焼き物をはじめとして、まだ知られていない国内作家による作品が数多く展示されています。うつわ選びのプロが選び方を伝授してくれるので、審美眼を磨くことができます。
Makers’ Base
Makers’ Base の基本情報
会社名 | Makers’ Base |
住所 | 〒152-0031 東京都目黒区中根1-1-11 |
Makers’ Baseは、目黒区にあるシェア工房です。特徴や魅力を紹介します。
安全な素材を使用した「なんちゃって金継ぎ」が楽しめる
Makers’ Baseは、2013年創業のシェア工房です。ビル一棟がまるまる工房であり、あらゆる機器や材料が揃っています。
機材のレンタルやアンティーク商品の販売に加えて、一般向けにさまざまなワークショップを開催しています。Makers’ Baseの施設利用者は、2022年1月時点で1,000名を超えています。
ワークショップの内容は、真珠のアクセサリー作りやシルバーアクセサリー作りなど、ものづくりを中心としています。そのうちの一つが、金継ぎ体験です。
金継ぎ体験ワークショップでは、「割れてしまった器を直すことで器の新たな表情を再発見し、大切なものと長く付き合う喜びに気づく」ことをコンセプトとしています。Makers’ Baseでは、手軽に体験することができる「なんちゃって金継ぎ」のワークショップを開催しています。
本来、金継ぎには天然の漆を使用しますが、時間と手間がかかるうえに、肌がかぶれてしまうリスクがあります。そのため、Makers’ Baseのワークショップでは漆の代用素材とエポキシ接着剤、パテを使用しています。さらに、修復部には、食品衛生法に適合した漆風塗料を使用するため、安全に金継ぎ体験を楽しめます。
手ぶらで参加できる
Makers’ Baseにはプロの作家が使うような材料や道具がすべて揃っているので、手ぶらでワークショップに参加することができます。金継ぎ体験で使用する器は、1,100円(税込)~用意していますが、持ち込みも可能となっています。
持ち込みの場合は、手持ちできるサイズが対応しています。陶器や磁器、ガラス製品などは金継ぎを行うことができますが、木製の器は使用できないので、注意しましょう。
2時間の体験時間のうち、端の小さな欠けであれば5~6カ所、大きい欠けであれば1~2カ所程度が修復の目安となります。修復部が多かったり複雑な形状であったりする場合、時間内に作業が終わらないというケースもありますが、その場合、別の日に改めるか、そのまま続けて参加することができます。
また、修復した箇所は、乾くまでに時間がかかるので、持ち帰り用の袋や箱が必要となります。箱がない場合は、店頭で550円(税込)にて購入することができます。
今回は、東京で金継ぎ1日体験ができる教室を5つ紹介しました。金継ぎとは、室町時代から始まったとされる器の修復技法のことです。
割れた陶器や磁器を漆で修復し、金粉であえて目立たせる日本独自の手法です。その見た目の美しさから国内外問わず人気があり、近年では趣味として楽しむ方が増えてきています。
金継ぎ体験には、通常何日もかかりますが、金継ぎのレッスンを行う教室では、工程を簡素化した1日体験コースを用意しているところもあります。また、本来は、材料として天然の漆を使用しますが、安全で手頃な代用漆を使用するケースもあります。
本記事が参考になれば幸いです。
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金継ぎ暮らし
金継ぎ暮らしは東京を中心に活動しているグループで、年間に1,000個以上の金継ぎを行っています。たくさんの器を直してきた経験はもちろん、テレビ取材や監修、本の出版といったさまざまな実績もある、確かな技術を持った講師が教えてくれるのが大きな特徴です。
すべての道具が食品衛生法基準をクリアしているので、金継ぎした後も安心して食器を使用することができます。教室数も多いので、通いやすいのも強みだといえるでしょう。レッスン内容も、1日完結の体験コースや通って学ぶ本格コースがあります。